一期一会。−2−

『私はいいよ!

 和は、いたくない?』

和が望んでなくても側にいるつもりだけど。

本音が知りたい。

…き、傷ついたりしないし。

受け止めるからさ。

「……望んでも、いいのか」

苦悶に満ちた顔をする和に、私は頷こうとした。


ー…でも、不穏な気配が邪魔をした。


「…和、こんなところにいたんだ」

剣呑さをはらんだ声が耳を差す。

「…希月」

和は、感情の一切を押し殺して、声の主の方を振り返る。

突然現れたのは、黒スーツ姿の若い男。

ダークブルーの髪を短く後ろで束ねているその人は、人形と見間違うほどにきれいな顔つきをしていて。

それが尚、垣間見える残虐性を際立たせていた。

「彩羽っ!」

頼人に腕を取られ、後ろに下がらされる。

驚いている間に、スーツ男が小型の銃を取り出したのが見えて納得した。

一瞬にして緊迫した空気が生まれた。

なんて物騒な!銃刀法違反!

和も顔を険しくしている。