一期一会。−2−




『…私、“王蝶”なんだよ』
 


この街の…最強伝説。

まぁ、私は別に一番強いなんて思ってないけど、誰かを守るための力は持ってる。

これでも、近づくなって言える?

『守る必要はない。

 だって、私は“最強”だから』

私は、和を救いたいよ。

だから、この手を取って…?

言い終わった後、ヒュルルと風を切る音がした。

そして、パァンと空に花が咲いた。

見紛うことなき、色とりどりの光。

残影が煌めく。

あぁ、…花火だ。

夏祭りのフィナーレを華麗に飾る。

私も和も頼人も、一斉に空を見上げていた。

たーまやー。

瞳に映る景色は、しっかり脳の奥まで刻まれる。

なんて、綺麗なんだろう。

誰かと見る花火は、とっても美しく感じる。

和は、花火を見上げていた目線を私に移す。

「…お前、本当に俺といていいのか?」

再確認なんて、しなくていいのに。

和の目は心配と不安で揺れていた。

だから、私は、自信をもって答えるよ。

安心して、側にいてほしいから。