「…お前も、頼人も、俺なんかと仲良くしてくれてるけどさ。

 …そろそろ離れた方がいい。

 俺は、組の若頭だから、これ以上一緒にいて、お前らのことを巻き込みたくないんだよ」

…何それ。

巻き込んでいいんだよ。

私、巻き込まれに来てるんだから。

だから、…そんなに瞳を暗くしないで。

何時か言われることが確かだったセリフ。

私のプラン通りの言葉だ。

和がそういうってことは、抗争はもう間近に迫っているということで。

静かに拒絶して距離を取ろうとする和に、私は手にグッと力を入れた。

…離れないよ、何があっても。

大股で和の前まで歩いていくと、自分の手で和の頬を包むようにしてペチンと叩く。

びっくりしている和に、私は計画通りに言い放つ。

『約束したでしょ!?

 何があっても、私は和といるって。

 それに、和を一人にしておけないよ!

 私、和にいなくなってほしくない。

 ずっと、これからも友達でいたいの!』