「うま…」

「甘くて美味しいね」

『美味し〜』

食べ歩きは最高だね。

りんご飴の次は、たこ焼きや焼きそばなどを買って、3人でトレードした。

他にも、射的をして、賞品の数を競ったりもした。

勝者は、以外にもお祭り初心者の和だった。

スナイパーの如く掻っ攫っていったよね。

…自信あったのに。ちっくしょー。

高校生らしく、遊んではしゃいで。

何時しか、私達は花火を見るために人気の少ない穴場へと来ていた。

「俺、飲み物買ってくるね。

 何がいい?」

「…麦茶で」

『んー、サイダー!』

気が利く頼人は、下駄をカラコロと鳴らして小走りでジュースを買いに行った。

残された私と和は無言。

沈黙が気まずいなぁ…。

こういう時ってどうやり過ごせばいいんだろうか。

「…なぁ、彩羽」

先に沈黙を破ったのは、和。

夜空を見上げてる和の方を見る。

え、何、黄昏れてんの?