私は、首を傾げてる和に、りんご飴が何たるかを得意げに力説した。

『りんご飴はね、めちゃくちゃ美味しいの。

 色づけされた水飴がコーティングされてて噛んだ瞬間に、果実の甘味がジュワって広がるんだから!』

私、リポーターになれるかもしれない。

新たな才能が開花していた。

「へぇ、うまそう」

「食べよう」

ちなみに、りんご飴は、りんごだけが全てではない。

“りんご飴”という名前からして、詐欺チックな感じがするが屋台を見れば直ぐに分かる。

私の力説により、全員購入。

五百円って、高くないか?

お祭り価格エグい…。

さぞかし、屋台のおじ様おば様方は丸儲けでしょうよ。

私はいちご飴、和はぶどう飴、頼人はみかん飴を買った。 

え?肝心のりんごはどこって?

頼人と和はそもそも見向きもしなかったよね。

私は、姫リンゴ(小さいタイプのりんご)より標準サイズのデカいりんご飴が食べたい。

よって、屋台名そっちのけで、各フルーツをもぐもぐ。