さっすが、由宇…分かってるじゃん。

なんて、上から目線の褒め言葉。

夜の姿だと、役柄で偉そうになっちゃう。

二人で話していたら、怪訝な顔の有功こと“響香”。

(※“響香”だと分かりにくいので描写では有功と書きます)

知り合いかと聞かれて、頷く。

私達友達だもんね!

「初めましてって言っていましたよね?」

『君とはそうだけど、由宇とはまた別の意味でそうなの』 

「…?どういうことですか?」

よく分からなくて良いんだよ。

「…何にせよ、うらやましいです」

ジェラシーぎっとぎとで由宇を睨む有功。

この人、敬語で話すの癖なのかな?

私より年上に見える彼は、失礼の極みである私にすら敬っている。

むしろ、私に対しては、人の数倍の敬意払ってない??

もっと舐めてくれて良いんだよ?

そんなに私に…“王蝶”に憧れてんの?

嬉しいような…でもなんか素直に喜べない。

あくまで、この姿は仮初だしな。