ちょっとだけ緊張してしまうのは男の子という生き物に免疫がないから。
けれども気づかないふりを装いつづける犬丸と、わざとなのかなってくらいコツンとぶつかってくる一条くん。
「犬丸、またここに一緒に閉じ込められよ」
「……はい?」
なんの……お誘いだ。
一条くん、よくわからない。
自分から閉じ込められる気なのかい、君は。
世間ではそれをドがつくMと言う……。
「ここでしかたぶん、ふたりで話せないから」
「えっ、教室では…?隣の席だしっ」
「俺と仲良くしてるウワサ流れたら、いろんなとこから犬丸が狙われるかもなんだ。…それに邪魔されたくねーし」
いろんなとこから狙われるって……命をですよね…!?
いやいやいや!
忘れてたっ、楽しすぎて一条くんが身を置いてる集団のことなんか忘れてた…っ、
というか邪魔されたくないって……、
なにに?だれに?
「えっ、え?」
「わかったら返事」
「あっ、はいっ!!!」
「うるせえ」



