「なんセンチ?」
「俺?178くらいじゃない?おまえは?」
「……153」
「え、もうそんななる?まじで?前はチビすぎて平均下まわってるって先生に心配されたじゃんか」
「…それ小学校のとき」
もう16歳。
すくすく元気に育ってる証拠。
結局のところ16歳の平均値も下回ってしまった私は、武道をやっている身としては小柄なほう。
先輩たちはもっと大きいし、同学年の子だって私より高い。
「背の順は相変わらず?」
「………前から2番目」
「はははっ。可愛い可愛い」
「兄ちゃん高いから私だって同じはずなのに…。身長って遺伝じゃないの?」
「…どーだろね。わかんない」
お母さんも低いほうじゃなかったよね…?
お父さんは平均値だった気がするけど、お母さんの血も流れている私ならもっと伸びてくれたんじゃないの。
「私と兄ちゃんって、どこが似てる…?」
「……どこがって?」
「兄ちゃん鼻も高いし、目もパッチリしてる…。……私、遺伝を感じないときある」
ある意味コンプレックスだ。
兄と似ていないことは、私のコンプレックス。



