このキョーダイ、じつはワケありでして。

志摩side




「あっ、志摩くんおかえりー……って、なにそれ!?」


「うそっ、殴られたの!?すっごい痛そうなんだけど…!!」



戻るまでの廊下で後輩やら先輩やらも俺の顔を見てぎょっとしてくるわ。

教室にたどり着いたらたどり着いたで、囲われるわ。


ねえ俺の逃げ場ってどこにあんの?



「ふはっ、おい志摩!おまえには守ってくれる後輩ちゃんが居たんじゃねーのかよ!」


「…いるよ」


「とうとうその子ですら厳しい強敵が現れたってことか?」


「まあ、そんなとこ」



嘘だよ、その後輩ちゃんに殴られたんだってば。


………すっごい痛い。

ここまでの力を秘めてたなんて聞いてないんだけど。


ってことはやっぱり、ボディーガードに任命して正解だったってことだ。



「ぎゃははっ!どんな恨み買ったんだよおまえ!」


「…うっさい」


「おー、珍しくキレてんな。そんなレアな女だったの?」


「…………」