「四宮。肩…どう?」
「……かた、」
「…まえの部活参観のときの」
「……あ…、うん。ぜんぜん…大丈夫」
忘れてた。
というより、それどころじゃなくなった。
肩の打撲くらいなんだっていいよ。
2度と取り戻せないケガってわけじゃないんだし。
「あれから接骨院とか行った?」
「…1回だけ。でもとくに骨とかに異常もなかったから、ほんと…平気」
「…そっか。よかった」
思い出すから、今だけは天瀬の顔を見たくなかった。
天瀬はなんにも関係ないのに。
「兄ちゃんに何か伝言とかあれば……伝えておく、けど」
「四宮、」
「っ、!」
予想外なことを、してくる。
そういうところも被るから、ごめん天瀬もう放っておいてと言いたい。



