「ぐはっ…!!なんだこの女……っ!」
「ちょっとお!!しっかりしてよサトシ…!!あたしのこと好きなんでしょ!?」
呼び出された体育館裏にて、今日も私は2年A組の最低なモテ男のボディーガードとして活動していた。
「これに懲りたら、もう彼女をこんなクズに近づけたらダメですよ」
「ちょっと慶音。だからおまえは俺のこと蔑(さげす)みすぎ」
せっかくの休み時間つぶされてイライラしてんですよ、こっちは。
ウワサだって学校中に広まってるし、毎日毎日クラスメイトから質問攻め。
私も私で空手部期待のホープということもあってか、ボディーガードと言えばなぜかみんな納得してくれるところはラクではあるとしても。
「この先輩なんか遊んでるだけですから。可哀想ですけど彼女さんは騙されてしまったんです」
「…くそっ、いくぞエリカ!」
「あっ、まってよサトシ…!」
「ポケ○ン?あれポケ○ンじゃん」なんて、まったく悪気すら感じていない最低チャラ男。



