正当防衛という形を最初から作りたかったんだ、あいつは。
脅迫されたので守らないと危うく自分が殺されているところでした。
きっと奴は教師に呼び出された際、こんな言い訳を固めるためにわざと煽ったはず。
「けいとー、こっちこっち。おいで」
ほらね、当たり前のように呼んでくる。
そこまで大きくない声にも関わらず反応してしまった私は、周りから見れば忠犬とでも思われているのかもしれないけど。
決して、断じて、そんなんじゃない。
「はあ?おいおい、おまえ女に守らせるってのか?」
「はははっ!まじダセェ!!!」
守るように前へ立った瞬間、案の定、笑われる。
私だってできるならやめたい。
こんな男に弱味さえ握られなければ、きっと今ごろ平穏な高校生活があったというのに。



