今日もなんとかマイペース極める妹を送り出した俺、四宮 成海。
朝早く起きて洗濯機を回して、妹ぶんの朝食作りを6時までには終わらせる。
やっと一息つけた7時。
ここで俺のブレックファーストってやつ。
『兄ちゃん。ここに、いつか沙織さんも混ざるんだよ』
あんな可愛いことを言われてしまったら。
まるで慎重に動いていた俺に、「兄ちゃんらしくない」と蹴りを1発入れられた気分だ。
慶音、俺もそんな未来があったら絶対幸せだと思うよ。
彼女なら俺たちワケありキョーダイを温かく包み込んでくれるって、勝手な期待まで抱いてしまうのは。
「お。こんな花、あったっけ」
「ふふ。やっと咲いたんで………あっ、四宮さん、こんにちは…」
「こんにちは」
妹の胴着も持ってないし、とくにクリーニング目当てで向かったわけじゃない。
店の前の花壇に水をやる華奢な背中に声をかければ、彼女は笑顔で振り返ったものの俺の目をそっと逸らした。
ここまで意識されるようになったのは、俺なりに通い詰めて好意を隠さず見せているからだ。



