母娘の親子ふたりで営んでいるクリーニング屋さん。

老若男女みんなから愛される、小さなお店だった。


するとエプロン姿のお姉さんは、私に一歩近づいて手を伸ばしてきたんだ。



『すこし前まではランドセル背負ってたのに…いつの間にか中学生になって、今年からはもう高校生になるんだね』


『…………』


『あっ、ごめんなさい…!私もいつも目にしていたから、ちょっとだけ親心みたいなものが芽生えちゃって…』



私のあたまを撫でてくれたお姉さんは頬を赤らめながら割引券をくれた。


おばさんくさかったね───と、照れながら眉を下げて笑っていたお姉さんに。

そうそう、兄ちゃんすごいこと言ってた。



『俺は好きですよ、そういう女性』


『え……、好き、って…』


『なんだったら俺の頭も撫でてもらっても?』


『へっ?いやっ、それは…』


『ふっ、冗談。俺もよく妹とここの花壇を見てて、お姉さんみたいにきれいだねって話してるんですよ。ねえ慶音、…ねえ慶ちゃん』