「やばくなかった?最後のガガガガガッてとこ」
「みんなで一斉にバーンってしてからのドカーンのところですよね」
「そうそう。キュイーンって起動されたときなんか、もう胸熱だったよ」
なんでそれで会話通じてんの?と、他校の男子高校生から感じる、変わったものを見るような目。
前々から気になっていたSF映画は先輩もずっと観たいと思っていたらしく、めずらしく意見が合致の即決だった。
どうにも私と先輩は気が合うところがあったみたいだ。
「お兄さんと映画とかは?」
「むしろそれしか」
「え、じゃあもしかしてさ。お兄さん以外とは俺が初めて?」
「……まあ。咲良を除いては」
「…そうだった。咲良ちゃんもなかなかに強敵だもんねえ」
咲良が強敵…?
そんなわけない。
咲良はお姫さま的ポジションだから、私が守ってあげなくちゃなんだ。
この先輩が見えている世界は謎すぎる。



