あなたはどうして私をそんな目で見てくるんですか。
私たちは敵ではないはずだ。
むしろ家族になろうとしている関係のはずなのに。
どうして私を、邪魔者扱いするような目で見てくるの。
「でも兄ちゃんはこれからも…、私と麻衣子さんの3人で暮らしてくれるつもりだろうから…」
「えー、そうかなあ。だって私と成海くんはいずれは夫婦だよ?この先は子供だって生まれるだろうし、新しい家族ができちゃうもの」
初めて顔合わせした日、兄はハッキリと麻衣子さんに伝えたはずだ。
『俺は妹と暮らしているから、それを理解してくれる上での付き合いしか受け付けてないですよ』
快くうなずいてくれたのがあなただ。
もちろんですと、ずっと妹が欲しかったんです、と。
でも今の言葉は、私だけが家族じゃないと指をさされたみたい。
さっさと出ていったら───?に、聞こえてしまった。



