おかげで目が覚めた、ありがとう。
同時に食欲は無くなったけども。
「ほらちゃっちゃと準備」
カーテンは自分で開ける仕様。
ベッドメイキングも同様。
そのままにしていれば、帰ったときも同じようにそのまま。
兄いわく「そんなに世の中は甘くない」とのこと。
妹を起こすだけ起こしてお気楽に階段を降りていった兄に続いて、重い身体をなんとか起こした。
「兄ちゃん。やっぱ日本人は米だよ、米」
「おまえね、仮にも女の子なんだから“米”って言い方どうにかなんないの。てか“いただきます”はちゃんと言った?」
「いだだきます。…言った」
「まったく、親の顔が見てみたいわー」とぼやかれながら、テーブルに置かれたコップに注がれてゆく野菜ジュース。
……味はめちゃくちゃ美味しいけれど、ここだけは惜しかった。
和食には日本茶じゃないかと思う。
ちょっとズレてるところがある、私の兄。



