いつから空手をやり始めたんだっけ…と、先日久しぶりにそんなことを考えた。
めずらしい。
昔を思い返して物思いに耽るような性格ではなかったというのに。
懐かしいね、たくさん思い出があるね、過去があったから今があるんだよね───、
なんて、いわゆるメルヘンとも言える脳内をしていない私は、よく言えばクールでサッパリした性格。
悪く言えばなんだろ……冷めてる、といったところか。
「けいとー、けーい、けいちゃーーん。いいかげん起きろクソガキ」
「……いたい」
「おまえの目覚まし、なんのためにあんの?止めて二度寝とかふざけてる?朝練に遅れても兄ちゃん送ってあげないから」
ペシペシと頬が軽く叩かれることから、朝が弱い私の忙しい1日は始まる。
「今日の…朝ごはん……米がいい」
「匂いでわかれ。数日前は自由に海を泳いでた夢いっぱいなお魚さんが焼けた最高に香ばしい匂い、するだろ?」
「……サイコパスすぎるよ兄ちゃん」



