「続けてほしいのなら…、俺に指示をしてください、……っ、はやく、」
なにを言ってるの碇。
もし私が「やめて」と言ったって、あなたは続ける気でしょう。
あなたが聞いてくれる指示はyesだけ。
さっきからずっと、碇の目は私にそう伝えてくる。
「いか、り……、」
とろんっと、涙が出そうでこぼれ落ちそうで。
そんな目をしているのは碇の瞳に映った自分だった。
「…なんて顔をしているんですか…理沙お嬢様、」
「だって…あなたがこんなことするから…」
「そうなんですが…、保てないんです、いやもう無理です」
はあっと。
息苦しさを感じているのは私だけではないらしい。
近いうちに離れてしまうかもしれない。
もう、こうして触ることもできなくなるかもしれない。
そんなものが私たちの背中をトンッと押してくれてしまったみたいに。
「碇…っ、ちょっとまって……っ、」
「…いいから、もう」
「っ、───、」
ピーーンポーーーン。
それはそれは、陽気な音。
「理沙ーー?いるーー?あのねっ、理沙にプレゼントがあるのっ!」



