「碇はよくやってくれています。彼は関係ありませんから。…すべて私の欠点です。私が……佐野様を優先させるべきでした」
「はははっ、わかっているならいいんだ。そうだよ、僕は君からのそんな言葉が欲しかったんだ」
わかってる、伝わってるわ碇。
悔しいのは私も同じ。
でも、ことを大きくしないためには必要なことなの。
「まあ、どちらにしろあと1年の辛抱だ」
「…なにが、ですか…?」
1年の辛抱…?
1年後といえば、私が高校を卒業する年。
佐野様の元へそのまま嫁ぐ時期だ。
「僕と一緒になったら、君の執事も替えようかと思っているんだ」
「……どう、して、」
「さすがに佐野グループの御曹司である僕の嫁の執事がCランクというのはな。周りに顔も立たない」
意味がわからない。
どうしてあなたがそれを決めるの。
碇は私の執事よ。
替えるも替えないも、私が決めること。
ああ、なるほどね。
あなたと一緒になると、その決定権すら私には無くなるということか。



