「それにしても理沙、最近は僕からの電話に出ないじゃないか。どういうことなんだ」
「…それは…、すみません、」
「どんなに忙しくとも僕を最優先しろと約束したはずだろう。約束は守る、これは社会の常識だぞ」
「…はい」
こんなところで説教なんかやめてほしい。
リモート対談だっていつもそうだ。
ほとんど自分の会社の話か、私に対してのお説教か。
そんな自分が大好きで仕方なくて、そこで感じる優越感に浸っているんだろう、この人は。
「まったく、だから執事だってCランク止まりなんだ」
「、やめてください」
「……なんだ?」
気づいたときには言ってしまっていた。
強めに、はっきりと、私の執事を馬鹿にするなと。
そんな言い方が男の何かに触れてしまったのかもしれない。
「理沙、僕に文句があるのか?」
低い声で、瞳の色を変えて、有無を言わさない物言いで言ってきた。
さすがにと碇は私のうしろで万が一のときのために備える。
けれど、私がそれを制した。



