もっと求めて、欲しがって、お嬢様。





息が詰まるような反応をしてから、ぐりぐりとおでこを痛くない程度に押し付けてくる。

すり寄ってくる碇は、もしかすると私に甘えているのかもしれない。



「…男なんですよ、私も」


「そ、そんなこと知ってるわ、」


「でしたらそんなに無防備に言わないでください、」



あ、だめかも…。
碇の目がどんどん変わっていってる。

薄暗いなかでも、それは確実にはっきりと見せられた。



「っ~!もう私は寝るからっ。明日寝坊なんかしたら許さないからね…!」



たまらなくなって、くるっと背中を向ける。

ドキドキドキドキと小刻みに叩く音が聞こえてしまうんじゃないかって怖くなった。


でもそんなことより、やっぱり見たこともない顔をしていたから、そっちのほうが怖くなって。



「っ……!」



それは静かになって、寝たふりをつづけて15分ほどが経った頃。


首元に背後から腕が回った。

もちろん背中に密着してきていて、耳元いっぱいに甘い息づかいが聞こえてくる。


……なによ…、これ…。



「……結婚なんか、やめてください、」