もっと求めて、欲しがって、お嬢様。





たとえ一緒に暮らしているとはいえ、執事とお嬢様が同じ部屋で寝るなんて聞いたことがない。

……いや、例外が1組くらいはいるかもしれないけれど。


でも普通はそういうものは一切ないからこそ、それぞれの部屋が用意されているわけで。



「…とりあえず、お風呂にでも入ってきたら?私はここで待っててあげるから」


「でも…執事は生活シーンを見せてはならないものですから…、」


「あら。こんな姿見せといて、そこはプライドがあるのね」


「……」



今さらそんなこと言ったって仕方ないじゃない。

もう十分、この男の情けない姿は見てきている。



「お待たせいたしました理沙お嬢様…!」



すぐ浴びてくると言って、ちょうど私がホットミルクを飲み終わったと同時にリビングに戻ってきた。

お風呂からあがってもタキシード。
そこだけは譲れないこだわりらしく。



「ちょっと!髪の毛まだ濡れてるじゃない!」


「せ、洗面台の鏡が……」


「…そういうことね」



23歳じゃない。

たぶんだけど、3歳だ。