謝りつつも私のほうに向かってくる専属執事。
パシッと、熱い手のひらが腕をつかんできた。
「では帰りましょう!理沙お嬢様」
「え、まだ紅茶も飲み終わってないわ」
「エマお嬢様、アリサお嬢様、本日はありがとうございました!では私たちはこれで失礼いたしますっ」
「ちょっと碇…!」
そのまま腕を引いて、本当に帰ろうとする碇。
執事のあなたがお嬢様たちのティータイムを終わらせてしまうなんて。
……さすがはDランクね。
「だからお前、なに興奮してんだよ碇」
「え?またなの?碇くん、君の脳内見てみたいわー」
興奮……?また……?
その言葉に、碇の動きはピタリと止まる。
早瀬さんと早乙女さんは何のことを言っているんだろう。
「わかるよ。あんな可愛いこと聞いちゃったらね、確かにムラッとくるけどさ。隠しとおすのが男ってものだろ碇くん」
「隠しとおしてます…!俺は別にっ、今すぐ抱きしめたいとかっ、キスして押し倒して乗っかりたいとかっ、
あわよくばぶち込めたらなって!!そんなこと断じて!!断じて思っていません!!」
「ぜんぶ言ってんじゃねえかよ」
嘘をつくことすらできない、正直者な人。
聞いているだけで恥ずかしくなってくるし、今にも穴があったら入りたいけれど。
でも碇、そんなの私のほうが思っているんだから。
───とは、あとでふたりのときに言うわ。
おまけ② fin.



