と、エマは降参を表すように楽しげに笑った。



「理沙、碇にベタ惚れなんだね~!ねぇお姉ちゃんっ!」


「そうね。エマも理沙ちゃんも、真冬くんと碇さんのことが大好き。それで仲直りよ」


「うんっ!」



エマとこんな会話をする日がくるなんて。

碇のことをこんなにも好きになってしまうなんて。


アリサさんの言葉で、再び柔らかい空気に戻った。



「じゃあじゃあっ!お姉ちゃんは早乙女の…、あっ、おにーさまのどこが好き?」


「……ぜんぶ、よ」


「ぜんぶ?」


「言っておくけど、燐がいちばん格好いいわ」


「あーっ!お姉ちゃんまでそんなこと言う!!」



今度は姉妹喧嘩のゴングが鳴ってしまいそうな予感。

私はとりあえず優雅な気持ちで紅茶をひとくち。



「ハヤセより格好いい人なんかいないもん!おにーさまは性格悪いとこあるしっ、碇はヘタレだしっ、やっぱりハヤセ!ハヤセがいちばん!!」


「なっ、燐は優しいわ!お義兄様に対して失礼よエマ!」


「碇だって確かにヘタレだけどっ、それだけじゃないんだから…!訂正しなさいよエマ!」


「やだね~だっ!べーーっ」