「でっ、みんなはどこまで進んでるの!」



とある休日。

親友であるクラスメイトの寮に集まったのは、柊 エマとエマのお姉さんである柊 アリサさんと、私───九条 理沙の3人。


執事である碇には留守番を命じて、エマの執事の早瀬さんは自室で待機中。


楽しいティータイムにしては踏み込みすぎるエマの質問に、思わず紅茶を飲もうとしていた動きが止まってしまった私。



「ど、どこまでって…あんたはどうなのよ」


「えーっとねえ!ハヤセが格好良すぎてっ、きゃーーってなって、ひゃーーってなって、うわーーっ!ってなるとこまでっ!!」


「……ごめんね理沙ちゃん。相変わらず大変な語彙力の妹で」


「…いえ。エマはいつもこんな感じですから、もう慣れました」



そう言いつつも、姉であるアリサさんはそんな妹が可愛くて仕方ないのだろう。

エマの頭をそっと撫でては優しい顔をしていた。



「でもさあっ、碇すごかったよね…!あの舞踏会の日!!」



その名前が出るだけで、私の胸はトクンッと跳ねる。