もっと求めて、欲しがって、お嬢様。





「……ちょっと、帰ります…、今日はありがとうございました早瀬さん、早乙女さん、お会計は済ませておきますので、」


「…お前なに興奮してんだよ碇」


「え、興奮?まさか今の会話だけでイチャイチャラブラブな新婚生活でも妄想しちゃった?まじ?やっばあ…、
碇くんもしかして君って経験ナシなの?」


「っ、だだだだって俺はDランクですから…!あなた達のように隠せるテクニックなんか持っていないんです…!!……あ。」



ざわついていた店内が静寂を生んだ。


なんの話をしているんだろう?と、早瀬さんと早乙女さんのルックスに誘われた女性たちから感じる視線。

そして真っ赤な俺に対してはクスクスと聞こえてくる。



「まあ確かに、イタリア語もお前ならすぐか。本当のお前はDランクを被ったSランクだしな」


「そうそう、だから俺も誘ったんだよ。君は磨けば光る原石みたいなものだろうから。
どれくらい輝けるかも未知数とか、面白すぎ」



あえて大きめの声で言った彼らのこういうところに、やっぱり敗北を感じる。

だからこの先どんなことがあってもお前なら大丈夫だ───と、早瀬さんは笑った。