生徒が滅多に通らない非常階段。
いつからかここが私と碇が学校でふたりきりになれる場所でもあって。
「理沙お嬢様、」
「な、なんでもないって言ってるでしょ…!」
「───理沙」
「っ…、」
耳元、とろけるような声で呼び捨てをされてしまったならば。
碇に身体を預けるような形になってしまう。
「んっ」
この執事はとても、なんていうか、慣れてきた。
こんなにもスムーズに唇を奪ってしまうことだって。
少しだけ強引にされるのが好きな私の性格をお見通しなことだって。
やっぱり元からSランクの素質があったんじゃないかとまで思わせてくる。
「んん…っ、いか、り…っ、」
ここは学校よ。
誰かに見つかりでもしたらどうするの。
噂が立ってしまえば、またいろんな意味で危うい立場になってしまうかもしれないのに。
「…教えてくださるまでやめません」
「んっ、ふ…っ、」
「教えてください理沙お嬢様」
「んん……っ」
そろそろ息が続かなくなってきた。
苦し紛れに降参を表すと、ようやく唇を離してくれる。



