私から早瀬さんへと投げかけることは珍しい。
彼は少しだけ驚きつつも、雰囲気は穏やかだった。
「俺もすべてです。ほんとうに可愛くてたまらないんです」
「…溺愛ね。相変わらず」
「ええ、ですが碇が九条様に対するものも同じだと思いますよ」
毎日、毎日、抱きしめてくる。
キスをしてくる、名前をたくさん呼んでくる。
一緒のベッドで眠って、頭を撫でてくれて、マーキングをするみたく身体中に赤いシルシをつけられて。
思い返すと確かに、恥ずかしくなってくるほどに溺愛されているのかもしれない。
「理沙、理沙、あのね、」
するとエマはちょいちょいと私を呼んだ。
執事にも聞こえてはならないようで、私はフォークとナイフを置いて耳を貸してみる。
こしょこしょと、それはそれはとんでもないことを食事中に言ってきた。
「もちろん碇も優しくしてくれると思うけど、初めてはやっぱり痛いから頑張ってね…!」
「………」
「あれ?理沙?聞こえてる…?あっ、でもね、すっごくすっごく幸せな気持ちになって…、気持ちいいよっ」



