もっと求めて、欲しがって、お嬢様。





今日も広すぎる食堂はがらんとしていた。

ほとんどの生徒は春のぽかぽかとした日が射す中庭や屋上テラスで、優雅にランチタイムをしているみたいだ。



「ねぇ碇は理沙のどこが好きなのっ」



いちばんはしゃいでいるのは、やっぱり親友のエマ。

碇とのことを報告したときも誰よりも祝福してくれて、誰よりも嬉しそうにしてくれて。


これからたくさん恋バナできるねっ!と、そんな笑顔ひとつで不安を消してしまうエマのパワーはやっぱり侮れないと思った。



「もちろんすべてです。理沙お嬢様が居てこその私ですから!」


「わあ~、良かったねぇ理沙っ」


「っ…、いーから食べなさいよ…っ!あんたのぶん食べちゃうからねっ!!」


「あっ、そんなのダメーっ!」



くすっと、笑われた音が聞こえてくる。

余裕なエマもそうだし、落ち着いて見守っている碇も早瀬さんも。


私だけがいっぱいいっぱいな気がして悔しい……。



「ち、ちなみに早瀬さんはエマのどこが好きなの?」


「俺、でしょうか?」


「そういえば聞いたことなかったと思って」