「ごほっ、ゴホッ…!」
「碇さん?どうした?」
「いや…!急に噎せてしまって…!」
同じように執事仲間から疑問の眼差しを送られている、すべてを察したらしい碇。
舞踏会の日以来、ほんとうに周りから“碇さん”と呼ばれるようになって。
甘い朝、いろんな意味でドキドキするスクールライフを挟んでからの、甘い夜。
お嬢様と執事の、それはそれは秘密だらけの甘くて賑やかな同居生活が始まっていた。
「………なによ、」
「ふふふっ、ううんっ?あはっ、えへへ~?」
「なによっ!!」
「いやあ~、ラブラブだなあって思ってっ」
「らっ、ラブラブって…!そんなんじゃないわよ…っ!!」
食堂にて。
先ほどの実技テストでのことを言っているのだろうエマは、ニヤニヤ顔を見せつけながらツンツンとつついてくる。
「も~、そんな意地っ張りにならなくてもいいのにぃ~、碇のこと大好きなら大好きって言えばっ」
「う、うるさいわバカエマ…!!バカっ、このバカ!!」
「あーっ!もうそう呼ばないって言ってたのに…!!それにただのバカになってるしっ!ひどいよ理沙っ」



