彼は男の人で、私は女。
それだけは抗えないものなんだと。
太ももの付け根、誰にも触られたことがないところ。
私の身体中に唇を落としてゆく碇。
「い…か、り」
「……っ!───…戻って、こい…、俺…!」
私の身体が震えていることに気づいた彼は、ハッと意識を取り戻したように、自ら呼び戻した理性。
ギリギリのところで動きは無理やりにでも制止されて、弱々しい声が聞こえてくる。
「あぁぁ…、もう、ダメですよ理沙お嬢様、」
それまで余裕のなさそうだった顔がスッと戻って、小さく謝ってくる。
やり過ぎてしまったと反省はしているらしい。
「ごめんなさい、なんかもう……無理で、ほんと、…あの、俺はDランクですから…」
こんなときの言い訳として使ってくるあなたのほうがズルいわ。
でもやっぱり彼は彼なのだと思うと嬉しくもなって、私は両手を広げた。
「碇、抱きしめて。これは命令よ」
「っ!…はい」
「あ、待って。……ベルト…閉めなさいよ、」
「っ!?あぁぁああ!!もももも申し訳ありません…っ!なにしてんだ俺…!!ベルトは閉めるものです!!!」



