なにより背後から腕を回す執事の、見たこともないほど雄を感じる表情。
「俺に触られて…あなたはこんな顔になっているんです」
「っ…、やだ、」
「恥ずかしいですか…?理沙お嬢様のぜんぶ、見えてますから」
「やめてっ、見ないで…っ」
「そうは言っていますが、こういうの……好きだろ?」
あえて耳元。
かすれた声が、ぴんと張った鼓膜をつついてくるみたいに。
それだけでぞくりと、全身を痺らせてくる。
「碇…っ、いじわるすぎるわ…!バカじゃないの…っ」
「…、」
「いかっ…、ん…っ!っは、んんっ!」
たまらなくなったのか、ぐいっと、回った手が顎を強引にも振り向かせて塞がれた唇。
激しさに乗って入ってくる舌は、私を求めては欲しがっているもの。
さっきからずっと碇らしくない強引な動きと言葉に、身体中がきゅんきゅんと鳴っていた。
そしてまた、ベッドに倒される。
「あっ…、ひゃあ…っ」
散らばる髪の毛を退かされると、露になった首筋。
そこへと噛みつくように唇が落ちてくれば、ぞくぞくっと、全身から込み上げてくる初めての気持ち。
タキシードも脱いでベスト姿になると、それもまた崩すように片手でアスコットタイとボタンを外し始めた碇。



