だけどもう、どんな姿も見せたい人はあなただけ。
脱がしていいのだって、碇だけ。
「や…っ、ん、」
太ももを滑る手。
想像以上の感触だったのか、碇の熱い手のひらはびくっと震えた。
「碇、…もっとさわって、」
「っ、……だから、もう、知らないですよ、」
「…うん、あなたの…好きなようにして、」
大胆な発言には一応恥ずかしさを感じていて、言いながらも身体をよじってしまった。
そんな私を見つめて碇はごくりと息を飲んだと同時、背中のファスナーに手をかけて忙しく下ろす。
解放感と空気の冷たさを感じていると、そこに熱い熱い唇が降ってきた。
「あ…っ、ぁ、」
ぴくっ、ビクッ。
ソフトなタッチが触れるもどかしさに、期待している身体が無意識にも反応してしまう。
耳から首、うなじから肩甲骨、すーっと背骨に沿って。
すべてを余さず喰らいつくされるみたい。
「は…、」
碇の吐息、碇の声、初めて感じる熱。
パチンと外されたホック、完全に脱げていないドレスの隙間からお腹回りへと、彼の手は探り当ててくる。



