もっと求めて、欲しがって、お嬢様。





甘い言葉を吐かれつつたどり着いた場所は、私の部屋。

お嬢様の許可なく入ってしまう碇はCランクより下のDランク。



「きゃっ!」



───ぽすんっ。


ベッドに任せるように落とされた身体。

余裕を詰めながら覆い被さってくる執事は、もう今は執事ではないこと。



「やばいです、もう俺は理沙お嬢様しか見えなくて…見てなくて、あなたで頭がいっぱいで、…大好きでどうにかなりそうです」


「っ、私だってそうなんだから…っ」


「……ほら、これやばいですって」



なにかを試す、というよりは。

疑問に思っていることを本当かどうか確かめるために調べている……みたいだ。



「理沙お嬢様、大好きです」


「っ…、私のほうが、大好きよ…」


「ああ……、幸せすぎます俺」


「そんなの私のほうが幸せなんだから…!」



そういえば私はいつも背伸びをしてしまって、負けず嫌いで。

そのぶん努力家とも周りから言われてきた。

だから今だって、碇より私のほうがって気持ちを伝えるために必死だ。