信じられない……と言うように、目をぱちくり。
口元に手を当ててまで驚く反応をしてくる。
「……デレ、た」
「は…?」
「いや、ツンツンしてるけど……言ってることはすごいですよお嬢様」
「なにバカなこと言ってるのよっ」
「……こう来るんだ…」
なにひとりでぶつぶつ感心しているの…。
もうお互いに隠す必要なんかないのに、ついていけない私はどこか除け者にされた気持ちになる。
「やばい……、やばいですこれ」
「もう碇っ、やばいって何が───ひゃあっ!!」
ふわっと抱き上げられる。
こんなにも軽々と抱えてしまう碇は、やっぱり男の人なのだと。
まるで跳ねるように進んでいく途中、抵抗したとしても聞いてすらいなくて。
「ちょっと碇っ、どこ行くのよ…!今日は安静にしてなくちゃ…!」
「もう俺は今までたくさん我慢してきましたから」
「我慢って…!そんなの私だって同じよ…っ」
「…かわいすぎますって、理沙お嬢様」
「っ…、」



