もっと求めて、欲しがって、お嬢様。





「…申し訳ありません理沙お嬢様…、俺は、Dランクになってしまいました…」



また私に迷惑をかけてしまうとでも思っているんだろう。

そんな心配を消してくれたのはあなたなのに。



「そうね、Dランクって言ったら見習い上がりと同じじゃないの」


「うっ…、すみません…」


「でも、聞きなさい碇」


「はっ、はい…!」



15歳の頃にプレゼントした気持ちとはまた違った想いを抱いて、専属執事の首元に結んであげる。


普通のお嬢様であれば、せっかくの機会を逃して怒るかもしれないけれど。

私には笑顔しか浮かばなかった。



「あなたは私が認めた、自慢の執事よ」



ランクなんか関係ない。

だってCランクだとしても、実力はSランクレベルにまでなれちゃったんだもの。



「これからもずっと一緒にいてくれないと許さないからね」


「も、もちろんです…!」


「ふふっ。…私の執事になってくれて、ありがとう碇!」


「…!!俺こそっ、ありがとうございます理沙お嬢様…っ」