もっと求めて、欲しがって、お嬢様。





「─────は…!?!?えっ、ええっ、なっ、ごほっ、ゴホッ…!!
すみません…っ、噎せましたっ、ごほっ、えっと、……はい……?」


「HAHAHA! ! !Mr.イカリ!HAHAHAHA! ! !」



ちょっと碇、すごいウケてるわよ…。

どうしてこんなにウケてるんだっけと、冷静に思い返すことをしてしまった私。



「えぇぇえええーーー!?!!碇がSランクーーーー!?!?」



案外こういうときはいちばん最初に理解してしまうエマ。

みんなに知らせるように大音量だった。



「はあ!?まじかよ…!!?!?」


「あいつCランクだっただろ…!!」


「いきなりSランクになるとか聞いたことねぇんだけど……!!!」



もちろん他の執事たちからも驚きという驚きの声。


……碇が……Sランク……?


信じられないというよりは、どうして?なんて疑問のほうが大きい。


確かにあんな行動をした執事は前代未聞かもしれないけれど。

倍率が高いと言われる執事の界隈で、ふたつ飛ばしの昇格をしてしまうほどの出来事かと言われてしまえば、よくわからない。



「まさかこの時代であんなものが見られるなんて思っていなかった、と」