もっと求めて、欲しがって、お嬢様。





「やばい人なんだけど、あのおじいさん」


「だから誰なの!あのおじいちゃんっ!」


「世界執事協会の会長だって」


「……えっ…、えーーっ!!世界執事協会!?日本じゃなくて!?」


「うん、世界。今日のためにわざわざイタリアから来日したっぽいよ。…やばすぎだろ」



それを聞いて、碇はすぐに血相を変えて背筋を伸ばした。

離れた場所で様子を伺っていた執事全員も姿勢を正して、その会長さんをまじまじと見つめる。



「ブラボー!Mr.イカリ!!」



なぜか碇の名前を呼んでこちらに歩いてきているような…。

見た目は優しそうなおじいちゃんだけど、世界執事協会の会長と言われてからの圧がすごい…。



「碇、お前も聞いたことはあるだろ。ブルーノ・ミカエーラさんだ」


「……あり、ます、」


「お前のことを褒めてるぞ」


「へ…?えっ、たっ、大変凝縮だとっ、お伝えください…!!ありがとうございます…!ありがとうございます…っ!」



ここまで緊張している碇は初めて見るかもしれない。

ぎこちない動作で堅苦しくなりつつも、深く深くあたまを下げている。


そんなにも執事にとってすごい人なのね……。