「なら、九条グループとの縁談は破談ね。それが条件」
「っ、……わかり…ました、」
うそ、でしょ……、
ほんとうに破談になったなんて信じられない…。
「あ、それから九条グループのお嬢さん。君のとこには早乙女か柊がうまい話を持ちかけるよう言っておくから安心して」
「…え…、ありがとう…ございます」
「いーえ、こちらこそ手のかかる義妹と仲良くしてくれてありがとうだよ。これからもよろしく」
「も、もちろん…です」
それでも問題はたくさんある。
こんなにも舞踏会を台無しにしてしまったこと、それが今いちばんの大惨事だ。
ううん、そんなことどうだっていいの。
「碇…、あたま、どうしよう、病院っ、ちがうわ救急車…っ」
「わっ、落ち着いてください理沙お嬢様…!少し切れているだけですから平気です!」
「だめよ…、痛い…?」
「…ちょっとだけ」
応急措置の仕方は授業で何度もやった。
けれど実践の緊張感は、授業なんか無意味だと思わせてくる。
「てか碇っ!碇ってそんなに強かったの!?泳げないカナヅチなヘタレアホCランクだと思ってたのにっ!陸地だと戦えるんだね!!」
「エ、エマお嬢様っ、いろんな意味で頭と心に響くので少しだけお静かにしていただいてもよろしいでしょうか…!」
「あっ、ごめんっ!でもハヤセより強いのかな!?ねぇハヤセ!」
「俺のほうが強いに決まってます」



