「だとしても残念だが、僕は九条から碇を追放することだってできるんだ」
「…追、放……、」
「罪を被せて2度と執事になんかなれないようにしてやる」
「そっ、そんなの立派な犯罪だわ…っ!!」
思わず大きな声が出てしまったところで、目の前の男は怯みもしない。
「なにをそんなに必死になっているんだ」とでも言われているみたいだった。
「ふっ、金と立場がある人間をナメるなよ理沙」
「……、」
誤魔化せる、と。
お金と立場さえあれば、罪のない人間に罪を被せて、自分の罪は消すことができると。
「そんなことをしたら…、私があなたを許しませんから」
「できるのかい?九条も佐野も壊す覚悟が、君にはあるのか理沙」
「っ、」
碇、やっぱりあなたの言ったとおりなのかもしれない。
私の執事なんかやめたほうがあなたの幸せはあるのかもしれない。
いま、逃げられるなら逃げたほうがいいのかもしれない。
「…あなたが碇に罪を被せて追放するというのなら……、私も彼と一緒に九条を出ます」
「は?なにを馬鹿なことを、」
「学校だってやめて、あなたとの縁談もなかったことにして、…ぜんぶ、ぜんぶやめてやるわ」
「ふざけたことを───、っ…!!」



