「また破壊神が騒いでるわ」と、周りの生徒たちは距離を空けるものだから。
そうすると何事かと執事たちも気にし始める。
けれど私は碇の悲しむ顔を見たくなくて、ずっと地面を見つめてしまっていた。
「理沙はあなたとなんか結婚したくないって言ってるからっ!!こんなの破談だよ破談!!」
エマは止まることを知らない女の子。
彼女は彼女で周りが見えている子でもあるから、私の本当の気持ちを覗きかけてきたことだってある。
今だって私ですら言葉にできなかった思いを、バカエマが佐野様に言ってしまった。
「なんだこいつは。おい理沙、こんな女と友達なんか僕の名のためにもやめてくれないか」
「……っ」
「おい、聞いているのか理沙」
「嫌だってことだよっ!!それくらい婚約者なら分かるでしょっ」
「…君は黙っていてくれ」
私を庇うように前に出たエマは、佐野様に冷めた目を送られたとしても引こうとしなかった。
これが柊 エマという私の友達だ。
どんなに敵だらけの環境に身を置かれていたって、たったひとりでも立ち向かえる強い子。



