実は、あのイヤリングはわたしの目の色に合わせているんだって。

視線がすごく気になるけど、気にしないふりをして、気にしないようにしたけどやっぱり無理で…………結局、体を小さくして、校舎までの道を歩いた。



「な、あの子かわいくね?」

「なんていう名前なんだろ」

「名簿みろよ」

「星河 彩葉……だって、1-Ⅳ(1年4組)らしい」

「話しかけてみる?」

 

ん? 今、なんだかわたしの名前が呼ばれたような……?

でも呼ばれるはずない……。

きっと聞き間違いだろうと結論付けて、校舎の中に入り靴を脱いだ。

わたしのげた箱、どこだろ……。

困りかけていた、その時。

またしてもイヤリングが『上から二番目、今いる位置から三つ左です』と告げた。

本当、優しいなあ……。

…………あれっ。

届かないけど……、わたしの背が低いから……。

自分で言って、ちょっと傷ついた。

ん、でも……どうしよ。

どうするかを考えていると、不意にどこからか手が伸びてきて、わたしの靴をつかんだ。



「これって、ここでいーの?」

「え、あ......はい」



見上げてみると、男の人がわたしのすぐ横にいた。