ハッキリ言うと、ユイには片思いしている初恋の人がいるらしく。

進展は。



「..............................」

「......」

「..............................」

「えと、ユイ、」

「..........................................」



この通り。

まったくないらしい。


......まあ、これじゃ俺の恋愛がなんだとか、そういう話に口は出せないでしょ。



「......ユイ、大丈夫だ」



セイが声をかける。

ユイは奇声を上げた。



「ぐわああああああああきぃいいいいいいいいっ!! ! ! ! 」



うるさい。

静かにしたら?と子供をなだめる前みたいなため息が出た。



「ユイ。静かにしろよ、ソラが動き出すぞ」

「......」


「セイ。俺、そんなことしないよ?」

「ソラ......っ、頼むっ、教えてくれっ、どーなのよそこ!」

「ユイ、何をそんなに......」



あっという間に賑わいが戻ってくる。

ユイの声は小さめだけど。

......俺、何かヤバいこと、しないよ?