手をつかまれて、力強く引き寄せられる。
「っ......、やめて、くださっ......」
「大丈夫大丈夫、俺らこわくないよ~」
「帰る途中で、私、」
「帰らせてあげるけど、楽しいことしてからだよ?」
私の声なんて、まるで聞こえていないみたい。
私の声を無視するように、話される。
「女子高生じゃん。よく見ると、ほんとにかわいーな......」
「うわっ、ガチだ」
「じゃあ、一番は俺な」
「えー、じゃ俺は二番目―」
帰りたい......。
恐怖と目が見えない不安から、頭が回らない。
強く手を引かれて。
私じゃ、力で勝てないから、振り払うこともできなくて。
「あの、......っほんとに、帰らせてくださ、」
「だーめ」
甘ったるい声に、鳥肌が立つ。
「や、だぁ......っ」
「え、泣いてんの? かーわいー」
震えることしかできないでいると、力強い腕が私を引っ張った。

