「すっげぇ。さすがガリ勉科。華やかな俺らとは根本的から違うわぁ」

「問題なのは、そんなどうでもいい話を俺に語っちゃうくらいその女に入れ込んでるって事。……はぁ、参ったよ」



1度点火してからの暴走トークは止まらない。
しかも、今日は一段と酷い。



今回は一橋の身内話だっただけに気に食わない点や不満がいくつかあったかもしれない。

でも、よく知りもしない普通科の生徒を愚弄するような物言いに、部外者までもが聞き入る事態を引き起こしている。





それまで他人事だと思って聞いていたセイだが、最後のセリフが耳に届いた瞬間、堪忍袋の緒が切れた。


手の甲に血管が浮き出るほど強く拳を握り、キツく歯を食いしばる。
身体は自然と小刻みに震え出す。






怒りの感情に任せて、思わず拳を勢いよく机に叩きつけそうになった。

それから一橋の元に向かい、好き勝手に物言いする口を黙らせる為にネクタイをキツく捻り上げて、胸に留めていた想いを全てブチかましてやりたかった。







でも、理想と現実は違う。

大事なものを人一倍多く背負っているから、どんなに苦しくても自分の気持ちを制御しなければならない。