『セイに近付かないで欲しいの』

『最終的に傷付くのはセイじゃない。貴方自身なのよ』

『貴方も世間の餌食になって被害を被る前に、自分から身を引きなさい。その方が、貴方だけじゃなくセイの為にもなるから』



彼女の頭の中には私の未来が描かれていた。
自分の辛い過去を重ね合わせながら、私がこれ以上傷つかないように厳しく突き放していた。

何度も別れるようしつこく迫って来たのは、私に残酷な道を歩ませたくなかったから。





それに、以前彼を会社の商品扱いしてたけど、多分それは違う。
大事に想っているからこそ、絶好のチャンスを最大限に活かしてあげたかった。

きっと、私にも一緒に背中を押して欲しかったんだと思う。


心から彼を愛してるなら、手放してでも応援するべきだと。