現在放送中のワイドショーに映し出されていた映像。
そこには、アメリカから帰国したばかりのKGKの姿が。



黒いキャップを目深く被ったセイは、空港の動く歩道で報道陣からのインタビューに答えている。


2年前に茶髪だった髪は金髪になり、今も2年の時を感じさせないほどの輝かしいオーラを放っている。



留学は2年間と聞いていただけに、予定より少し早めの帰国に正直戸惑う。
久々に彼の姿を瞳に映すと、信じられない気持ちでいっぱいになった。



「う………そ………」



高2の3月初旬に出発したから、帰国するのは3月くらいだと思っていた。
帰国までのカウントダウンは始まっていたけど、まさか丸2年経たないうちに戻ってくるなんて。



すると、由莉は頬杖をつきながら帰国したばかりのKGKに関心を寄せた。



「へぇ〜、KGKが帰国したんだ。…何年振りだっけ。デビュー当初からめっちゃヒット曲を連発していたよね。今でもカラオケで歌ったりするよ」



紗南は由莉の話が耳に入ってこないほどモニタ一1点に目線が集中していた。

しかし、座席からテレビが遠いせいか、セイがインタビューで何を喋っているかわからない。