ドアノブに力を込めて思いっきり開けた職員室の扉の先。
そこには、想像を絶するほどの別世界が待ち受けていた。



入学してから今日まで東校舎しか知らない。
だから、悪い意味で想像を裏切られてしまう。





初めて足を踏み入れた西校舎は、真新しい建物の香り。
ところどころに設置されている、最新式の空気清浄機。
ベージュタイル風のクッション床。
白い壁の半分から下は、ナチュラルカラーの木材の腰壁材が使用されている。

大きな窓から差し込んでいる光で校舎内は非常に明るく、とても清潔感に溢れている。



年季の入った普通科の校舎とは対照的。
職員室の扉を境に異次元空間に迷い込んでしまったような気分になった。




走りながら右側の教室に目を向けると、1年生の教室が3クラス分立ち並んでいる。
1階が1年生の教室であれば、2年生の彼の教室はきっと2階。

何となく予想はついたから、先生に捕まる前に階段を探さなきゃ。