恋愛はもうしないと決めたのに、次期社長にアプローチされて困ってます!

「映画、面白かったね」

「はい。とても心洗われるお話でした」

映画が終わった後、五月は総悟とカフェに入り、映画の感想を語り合うことにした。総悟の提案である。映画を観ることが好きな五月にとっては嬉しい提案だった。

(好きな映画の話ができるの、とても楽しいな……。あの人とはこんな話、したことあったっけ?)

ふと、語りながら五月は思う。前に付き合っていた元カレと映画を観ることはあったが、いつも「面白かった」か「つまらなかった」としか言わなかった。だが、目の前にいる総悟は五月の話を真剣に聞いてくれている。

「そうだよね。あの主人公がヒロインに手紙を渡すシーン、すごくよかったと思う。すごく綺麗で、泣きそうになっちゃった。……きっとああいうのを純愛って呼ぶのかなって思ったよ」

「純愛……」

互いに愛し、愛され、想い合う甘酸っぱい恋。誰もが憧れる恋だ。総悟の口から出たその言葉に、モヤモヤとした気持ちが五月の中に生まれる。